#021
こんなことで
不安になる自分が馬鹿みたいだ
大切なものほど束縛したいけど
愛する人には自由でいて欲しい
小さすぎるこの両手じゃ
守りきれない
だからどうか
いつも無事でいて下さいと
そっと、組むことくらいしか。
#022
願われて
思われて此処に居る
ならばせめて恥じぬよう
#023
気付いて
気付かないで
私のくずれそうな強がり
#024
どうして小さな気持ち一つで
満足できないんだろう
伝えたい言葉は「ごめん」じゃない
何回だって「愛してる」って言いたい
#025
シーツを変えた。
空色のやつ。
夏空に抱かれる夢を見よう。
同じ色の朝顔の森で
あなたと出会う夢を見よう。
二人で手を繋いで眠ろう。
#026
私の気持ちは届いてるんだろうか
君も、皆も、
言葉を届けるのがうまい
短い言葉で、気持ちが届くんだ
私のはなんだか嘘くさくて
たまに嫌気がさす
伝えようと必死なのに
その分遠ざかってくみたいだ
いつか私にも使えたらいいのに
そうしたら好きだといって伝わって
君が微笑めばいい
#026
切り捨てた後の青空
僕は醜い
そんなの分かってる
#027
寝苦しい夜、もどかしさに苛まれる
全てが解るとは思わないし
干渉して嫌われたくない
本当はこじ開けてでも取り出して
君を攫って逃げたいけど
そこまで無神経にもなれないから
せめて、普段の私でいよう
よく笑ってよく怒ってよく食べてよく眠る
甘えたがりで我侭な馬鹿でいるよ
だから少しだけ
気が紛れたらそれでいい
#028
黙っていた。
言えない言葉が
何度も、何度も、
口をついて出てきそうで
押し留めるのに必死だった
暫くぶりに聞いた声は
心の中の声より少し低くて
リアルで優しかった
泣きそうな顔は
もしかして気付かれていたんだろうか
#029
割り切ろうとした
今は、と忘れようとした
なのに、ケータイにばかり目がいく
いかれてる
自分が壊れるのを恐れて
世界の中心を
あなただけにはしたくなかったのに
#030
眠るあなたを何度見つめただろう。
不幸にするかもしれないと、
解っていても、
想い、焦がれ、啼きながら
そっと口づける真昼の獣。